R言語におけるベクトルは、データ分析や統計処理の基本となる重要な要素です。この記事では、ベクトルの作成方法、基本的な操作、そして実際の利用法について解説します。
1. ベクトルの作成
1.1 c()関数を使用した作成
最も一般的なベクトルの作成方法は、c()
関数を使用することです
# 数値ベクトル
num_vector <- c(1, 2, 3, 4, 5)
# 文字列ベクトル
char_vector <- c("apple", "banana", "cherry")
# 論理ベクトル
logic_vector <- c(TRUE, FALSE, TRUE, TRUE)
1.2 シーケンス関数を使用した作成
連続した数値のベクトルを作成する場合、以下の方法が便利です。
# 1から10までの整数ベクトル
seq_vector <- 1:10
# より細かい制御
seq_vector2 <- seq(from = 0, to = 1, by = 0.1)
1.3 繰り返し関数を使用した作成
rep()
関数を使用して、要素を繰り返すベクトルを作成できます。
# 3を5回繰り返す
rep_vector <- rep(3, times = 5)
# 1, 2, 3を2回ずつ繰り返す
rep_vector2 <- rep(c(1, 2, 3), each = 2)
2. ベクトルの基本操作
2.1 インデックスによるアクセス
ベクトルの要素には、インデックスを使ってアクセスできます。Rのインデックスは1から始まります。
x <- c(10, 20, 30, 40, 50)
x[1] # 10
x[c(1, 3, 5)] # 10 30 50
x[-2] # 10 30 40 50 (2番目の要素を除外)
2.2 ベクトルの演算
ベクトルは要素ごとに演算を行うことができます。
a <- c(1, 2, 3)
b <- c(4, 5, 6)
a + b # 5 7 9
a * 2 # 2 4 6
2.3 ベクトルの長さと型の確認
length(a) # 3
class(a) # "numeric"
3. ベクトルの実際の利用法
3.1 データの要約
scores <- c(85, 90, 78, 92, 88)
mean(scores) # 平均
median(scores) # 中央値
sd(scores) # 標準偏差
3.2 条件に基づくフィルタリング
barplot(scores, names.arg = c("A", "B", "C", "D", "E"))
まとめ
ベクトルはR言語の基本的なデータ構造であり、多くの操作や分析の基礎となります。この記事で紹介した基本的な作成方法や操作を習得することで、より複雑なデータ分析や統計処理への足がかりとなるでしょう。ベクトルの概念を十分に理解し、効果的に活用することで、R言語でのデータ処理がより効率的になります